インプラント海外事情

 インプラントという治療、特に現在主流のオッセオインテグレーションインプラントはそもそも、その概念がスウェーデンで発見、開発された関係でヨーロッパではかなり前より普及しておりました。また1980年代後半にアメリカに渡り、そこで爆発的に普及しました。もともとキスの機会の多いお国柄では、口の中の修復物に特にその審美性には強い関心があるようです。欠損した歯の修復にインプラントを選択する割合はアメリカにおいて約30%といわれています。奥歯だけに限定するとインプラントの選択率は約70〜80%にのぼるといわれています。まさにインプラントが第一選択なのです。興味深いことに、お隣の国、韓国でもインプラントの選択率は約20%といわれており、日本の数%よりはるかに高い割合です。健康保険で行える歯の治療の幅が日本に比べるとせまいこともその一因かもしれません。日本においてもまだまだ普及率は低いですが、インプラントの本数ベースでは年々10%以上のペースで増えているそうです。今後、日本においてもインプラント治療がより一般的になる日は近いでしょう。(すでに東京など大都市圏では、かなり普及しています。)
 アメリカにおいては約1/3の歯学部の大学においてインプラント手術の実習のカリキュラムが組み込まれているそうです。またドイツ、スイスの学生も骨移植を含めた、かなり高度なインプラント治療の実習が行われており、インプラント治療に関する歯科医師の認識の日本との格差を感じずにはおれません。