歯が無くなると

日常診療の日々では、よくこんな場面に遭遇します。入れ歯を作ったのだけど、数日から数週間ではずしてしまう。その後入れ歯をいれずになんとか生活している。ご経験ありませんか?理由をおたずねいたしますと「痛い」「違和感がある。」
「食べたものがはさまる。」「物がうまく噛み切れない。」「しゃべりにくい。」「肩がこる。」
「味がよくわからない。」などなど。本来機能回復のための入れ歯をいれることによって様々な違和感、機能障害、発音障害がひきおこされております。また次の場面もよく遭遇しますよ。幸い抜けた歯の隣に歯がありブリッジを入れることができる場合でも、「先生、このきれいな歯削るんですか?」「どうして悪くない歯を削るんですか?」と素朴な疑問を投げかける方が多いです。ただし歯を抜けたままにしておきますと噛み合せのバランスが徐々に崩れて◎見た目が悪い(老人様顔貌になる)◎発音障害を起こす。◎噛みにくい→咀嚼障害を起こす。◎ある方の歯だけで噛むので、残っている歯が悪くなりやすい。ひいては◎顎関節や筋肉の不調和を起こす→肩こりの原因になる。◎胃に対する負担がますばかりでなく、全身の影響がでてくる。など大変深刻な問題がでてまいります。歯が抜けた状態が長引けば長引く程、その治療は困難になり治療期間、治療費用は多くなります。ですので例外的なものを除いて歯が一本でも抜けたらその部位を早期に修復することが(専門用語では欠損補綴と云います)なにより大切なわけです。このことはやった方がいいというレベルの問題ではなく、やらなければならないレベルの問題なのです。ただし従来の方法である入れ歯やブリッジでは前述のように色々な欠点がございます。これらの欠点を解決する方法が近年発達しているインプラント治療です。もちろんインプラント治療が万能ということではないのですが、従来の方法に比べて格段に優れている点は非常に多いです。これは国際的にみて学問的に証明されています。次章からはこの新しいインプラント治療に焦点をあてて多岐に渡ってわかりやすくお伝えしたいと思います。